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シンガポール有名大学と連携した取組について

■はじめに

当事務所では様々な機会を捉えて北海道の魅力を発信しており、旅行博やフードフェア等の他にも、シンガポールの有名大学と連携した取組も行っております。今回はその事例の一端をご紹介します。

■シンガポール国立大学(NUS)

シンガポール国立大学(NUS)は世界大学ランキングで第8位、アジアでトップを誇る同国屈指の名門大学ですが、日本文化を研究する同好会「日本研究会(JSS)」があり、JSSでは毎年日本文化発信イベント「Japanese Cultural Festival」を開催しています。当事務所は毎年このイベントにブース出展し、観光情報を中心に本道のプロモーションを行っております。

今年は1月18日(土)に開催され、会場ではJSSの学生によるステージ発表(アニメソング演奏、ダンス等)、日本文化体験ブース(浴衣、空手、茶道等)が設けられ、多くの来場者で賑わっていました。日系企業ではYakultやNISSIN、KAGOME等が商品サンプルを提供していた他、自治体としては当事務所の他に一般財団法人自治体国際化協会シンガポール事務所(J.CLAIRシンガポール)がブース出展し、観光プロモーションを行いました。

まだ北海道を旅行した事のない若年層が多く来場することから、北海道の魅力を知ってもらう貴重な機会となっています。1月のイベント実施ということもあり、「来月の札幌雪祭りに行きます」「ニセコは外国人が多く料金も高いと聞いているので、他のスキー場を教えてほしい」といった冬季の観光相談が多く寄せられました。

■南洋理工大学(NTU)

南洋理工大学(NTU)はNUSと双璧をなすシンガポールの名門大学ですが、NUSと同じく日本文化同好会の「日本愛好会(JAC)」があり、日本文化発信イベントである「Japanese Cultural Festival」を毎年開催しています。当事務所はこのイベントにも毎年ブース出展しています。

2月5日(水)、6日(木)に開催された同イベントでは、射的や手芸、太鼓ゲームといったアクティビティのほか、アニメグッズ等の物販も行われていました。NTUはシンガポール西部の外れに所在し市内中心部から離れているため、学生寮のほか各種ショップや飲食店が建ち並ぶちょっとした街の様相で、本イベントにも多くの来場客が訪れました。出展した自治体は当事務所のみで、日系企業の出展もありませんでしたが、同大学関係者によれば今後企業の出展も広く募りたいとのことで、イベントの盛況に伴いプロモーションの場としての魅力も増すことから、当事務所としても引き続き参画したいと思います。

■おわりに

記イベントに出展することにより、若年層への観光PRは勿論ですが、シンガポールの有名大学と関係を構築できることから、人材交流の点でも有益な機会となっています。引き続き当地大学と連携した取組を行うことで、世界と北海道との接点を作ってまいります。

NTUイベント:来場者で賑わう様子
NTUイベント:北海道ブース
NUSイベント:観光PRの様子

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シンガポールで生産される農作物や水産物について

■はじめに

シンガポールは国土も狭く、食料の大半を輸入に頼っている一方で、限られた土地を活用して葉物野菜や卵、養殖魚を中心に国内生産に務めています。今月は当地の食料事情や生産される農作物、水産物について紹介します。

■シンガポールの食料事情

シンガポールは国内で販売されている食品の90%以上を輸入に依存している都市国家ですが、シンガポール食品庁(SFA)は2030年までに栄養ベースでの食料自給率を30%に引き上げる目標を掲げています。当地は国土が狭く農地用途と指定されている土地は国土の1%と限られていますが、同国初の垂直型野菜農園が2012年に開園し、現在は国内で4ヶ所目となる鶏卵施設の建設が予定され、政府も積極的に予算を投入する等、食料自給率向上のために様々な取組が行われています。

 

■V-Plus Agritech社の取組

シンガポール西部にある「V-Plus Agritech社」は、魚の養殖と水耕栽培を組み合わせたアクアポニックス農法を専門とする企業です。当社では、効率的な野菜の収穫のため最新技術を活用した微生物・廃棄物管理を行いつつ、垂直型アクアポニックス農法でスペースを最大限に活用し、従来の土壌農法に比べて作物収穫量を7倍に増加させる事に成功しました。

播種から収穫まで最短1ヶ月のサイクルで循環させ、化学農薬を一切使わない事も特徴です。この農法では、レタス、ほうれん草、小松菜、水菜、バジル、トマト、トスカーナケール、チンゲンサイ等が栽培可能で、微生物プロファイリング(植物の生育環境における微生物の多様性を特定する研究)を通じて野菜が何を必要としているか把握し、新鮮な野菜の収穫・病原菌の撃退に役立てています。アクアポニックス農法は最低1平方メートルから設置する事が可能で、自宅や庭・カフェ等での野菜栽培や砂漠地帯での野菜生産の一助となる事も期待されています。

当社では、稚魚を市場で買い付け養殖をして国内レストラン等に販売する取組も行っています。魚の餌となる昆虫は上記の農法で廃棄となる野菜を活用し当社で育てる事で、循環を図っています。当社では主にティラピア、アジアンシーバス、オーストラリアンジェイドパーチ、ナマズ、鯉(観賞用)等を養殖し国内消費を支援しています。

■おわりに

実際にV-Plus Agritech社を視察する機会がありましたが、限られた土地で作物を育てる技術に感銘を受けました。当社ではシンガポール国立大学や南洋理工大学等の地元の大学とも協力し、栄養循環における微生物の活用やミールワームの研究を行いながら、効率的な作物収穫を目指しているとの事でした。食料自給率では課題の多いシンガポールですが、これら最新技術を駆使した農業・養殖技術は、同様の問題に悩む都市国家の課題解決に繋がると感じました。日本全体の食料自給率向上を考えた時に、シンガポールの技術がヒントになるかもしれません。

V-Plus Agritech社の垂直型アクアポニックス農法
V-Plus Agritech社で栽培可能な野菜

 

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東南アジア最大級のフードフェアに北海道が初出展!!

■はじめに

シンガポールで毎年開催されているフードフェアAsia Pacific Food EXPO(APFE)に北海道ブースが出展しました。当イベントに日本の自治体が参加するのは初めてであり、主催するシンガポール食品製造者協会(SFMA)と、ブース出展した北海道貿易物産振興会の間で、今後の一層の連携に向けた覚書を締結する等、本道の食産業振興に繋がるイベントとなりました。

○Asia Pacific Food EXPO 2024について

主催:シンガポール食品製造者協会(SFMA)

期間:2024年12月6日(金)~12月9日(月) 11:00 ~ 21:00

会場:Singapore EXPO Hall 5(1 Expo Door, Singapore 486150)

概要:東南アジア最大級のBtoCフードフェアで、例年約200団体が出展、来場者約30万人を記録。

今年はシンガポールの他、中国・マカオ・北海道がブース出展。

■会場の様子

イベントへの出展は、本年6月に札幌市内で開催された「北海道産品取引商談会」にSFMAがブース出展したことがきっかけとなり実現しました。北海道のアンテナショップである「北海道どさんこプラザ」を中心に、40を超える事業者の商品を販売しました。商品は道産ワインや日本酒を始め、菓子類、冷凍品、保存商品まで幅広いラインナップで、実演販売コーナーは多くの来場者を惹き付けていました。出展していた事業者の方に話を伺うと「予想以上に試食が出ているので、準備していた分では足りない」との声もあり、連日多くの来場者が訪れていました。また、BtoCメインのイベントではありますが当地バイヤーも北海道ブースを訪れ、このうち当事務所と接点のあるバイヤーは「北海道ブースがあることを知って来た。このイベントは来場者のほとんどがローカルのシンガポール人なので、BtoB商談会とは別の顧客にアプローチできる良い機会だと思う」と話されていました。

■SFMAと北海道貿易物産振興会の覚書締結について

12月8日(日)には、SFMAのレイモンド・タン会長と北海道貿易物産振興会の髙橋会長が貿易協力の強化に向けた覚書に署名しました。覚書締結式には北海道議会の冨原亮議長、シンガポールのシー・キアン・ペン国会議長も立ち会い、メディアも取材に訪れるなど、高い注目を集めていました。

■おわりに

当イベントへの出展は、シンガポールと北海道の関係強化に繋がるものであり、覚書の締結は今後の道産品輸出拡大に向けた大きな一歩です。本道の食産業振興に寄与すべく、引き続き当地産業団体や企業との関係強化に努めてまいります。

連日多くの来場客で盛況
北海道ブースの様子
覚書締結式にはシー・キアン・ペン国会議長(右端)も出席。写真左端は北海道議会の冨原議長。

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シンガポールで人気のある余暇の過ごし方について

■はじめに

シンガポールは函館市(約677㎢)よりやや広い約720㎢の国土に600万人以上の人々が暮らす多民族国家です。国土は狭いですが豊富な自然やアクティビティ、多民族国家ならではの楽しみ方があるほか、近隣諸国へのショートトリップ等も人気があります。今回はシンガポール国民の余暇・週末の過ごし方をご紹介します。

■シンガポール

当地で生活をしていると、ランニングをしている方を頻繁に見かけます。常夏で年中外を走る事ができるため、有名観光地であるマリーナエリアやボタニックガーデンでは多くのランナーが走っています。毎年12月に開催されるシンガポールマラソンは、昨年度のランナーが4万4千人超の人気イベントです。サイクリングも人気で、自転車専用道路が整備され、シェアサイクルステーションが国内至る所に設置されています。国内東部のイーストコーストパークは約15㎞の自転車道が整備されており、海岸線を眺めながら心地良いサイクリングを楽しむ方が多い人気スポットです。また、アニメも人気のあるコンテンツであり、アニメをきっかけに日本ファンになる方も多く見受けられます。毎年11月には東南アジア最大のアニメの祭典「Anime Festival Asia Singapore」が開催され、昨年は約13万人が来場するなど、当地のアニメ人気の高さが伺えます。

■多民族国家ならではの週末の過ごし方

シンガポールは外国籍が39%(シンガポール政府発行「Population in Brief 2023」より)を占める多民族国家ですが、国毎に憩いの場があります。例えば、繁華街オーチャード地区にあるショッピングセンターにはフィリピン人向けに日用品から飲食店まで多くの店舗が入っており、週末には当地で働くフィリピン人のメイドさんが集まり買い物や談笑をする様子を見かけます。ヒンドゥー教寺院やインド人料理店が立ち並ぶリトルインディアは日頃からインド系が集まるエリアですが、週末になると同エリアの公園には出稼ぎで来ているバングラデシュ人男性が大勢集まり、ベンガル語が飛び交う場所となっています。

■近隣諸国へのショートトリップ

国土が狭いこともあり、シンガポール人は海外旅行によく出かけます。マレーシア南端のジョホールバルにはバスやタクシーで簡単に行けるため、日帰りショッピングを楽しむ方やレジャー施設を訪れる家族連れで賑わいます。インドネシアの有名リゾートのビンタン島や、シンガポールより安価にゴルフをプレイできるバタム島は、フェリーで約1時間の距離にあり、週末の旅行先として人気です。

■おわりに

国籍による憩いの場や、近隣諸国への日帰り旅行は、シンガポールならではと言えます。地元の人の楽しみ方がわかれば、その国へのアプローチの仕方も見えてきます。これからも当地トレンドにアンテナを張って、北海道プロモーションの参考にしたいと思います。

マリーナエリアでは週末に多くのイベントが行われます。2024年7月のジャズイベントではサッポロ・シティ・ジャズコンテスト優勝者が出演し会場を盛り上げました。
東南アジア最大のアニメの祭典「Anime Festival Asia」会場の様子。日本のアニメはシンガポールでも人気です。

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シンガポールで人気の高い北海道産品のついて

■はじめに

今月の現地レポートは、シンガポールで人気の高い北海道産品についてです。昨今のシンガポールにおいては、健康志向の高まりも相まって、日本産品の需要が高まっています。中でも道産品は、高品質で新鮮な食材を使っているイメージから人気が高く、当地では「北海道」ブランドが浸透していると感じます。今回は、現地の方々から好まれている道産品について紹介したいと思います。

■北海道どさんこプラザ

当地には道産品のアンテナショップである北海道どさんこプラザが2店舗設置されています。どちらも日系スーパーの明治屋に併設しており、道産品の販売、情報収集、テスト販売等を実施しています。グレートワールドシティ店の店員に話しを聞くと、最近は「札幌おかきOh!焼とうきび」「北海道牛乳かすてら」等の菓子が人気の売れ筋商品とのことでした。他にも奥芝商店の冷凍スープカレーやみれい菓のバスクチーズケーキ等、冷凍商品のラインナップも充実しています。

■当地スーパー(明治屋・伊勢丹・FairPrice・Cold Storage)

当地のスーパーでも多くの道産品が販売されています。中でも、よつ葉乳業のチルド牛乳やバター、スモークチーズ等の乳製品は、道産ミルクを使用した高品質な商品として人気があります。また、明治屋や伊勢丹等の日系スーパーでは、ゆめぴりか等の道産米や道産大豆を使用した梅納豆も人気があります。

■人気菓子店

当地には、ROYCEや柳月の店舗もあり、人気商品を購入することができます。筆者が近くのROYCEに訪問した際には、楽しそうに生チョコを選んでいた親子の姿が印象的でした。また、柳月では三方六メロンが人気とのことでした。

■所見

今後も道事業者の皆様と連携しながら、道産品の販路拡大に向けて活動して参りたいと思います。

■店舗の様子

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